県境稜線 O クチクボ峠~根来坂峠

 根来坂は、福井県小浜市の上根来地区と、滋賀県朽木村の小入谷を結ぶ峠道で、鯖街道のひとつとして知られている。最近、両地区を結ぶ林道が開通し、この林道が根来坂のすぐ近くを通っているので、短時間で峠に立つことができるようになった。(林道の峠は、「おにゅう峠」という)もっともそれがいいことかどうかはわからないが。
 クチクボ峠から根来坂峠の間は、美しい林が広がる、とても気持ちのよいコースである。クチクボ峠とP677の間と、P803から根来坂の間に、滋賀県側が植林されているのが残念であるが、福井県側は、ずっとブナを中心とした自然林が広がっている。また、最近この区間の尾根道が刈り込みされており、とても歩きやすくなっている。また、標識も何箇所か設置しており、また、テープの付けられているので、安心して歩くことができる。道の脇には、イワカガミの群生している所がたくさんあり、季節が合えば、花も楽しめる。

 

(注)クチクボ峠の名称は、福井県側で使われており、滋賀県側では、ナベクボ(鍋窪)峠の名称が使われているようである。このHPでは、クチクボ峠の名称を使わさせて頂きます。


コース紹介

 クチクボ峠から登り出すと、15分程で、P677のちょっと手前に着く。ここは、福井県名田庄村に続く鍋窪林道に下る道が分岐しており、標識を設置している。この辺りまでは、福井県側が自然林で、滋賀県側が杉の植林となっているが、P677を越え、次のコブを越えた辺りから、両側が自然林のすばらしい林となる。急な斜面を登り、次のピークに着くと、尾根は左に曲がる。木は細いが、すばらしい林が広がっている。ここからは、尾根が細くなり、吊尾根のような道を下っていくが、この辺りから、比良山系の山並みが見える。再びゆっくりと登りだすと、P709に着く。ここは、右からの尾根との合流点で、道は左に大きく曲がる。ここには、標識を設置している。
 ここからは、ゆっくりと下っていくが、両側にブナ林が広がり、気持ちが良い。鞍部からゆっくりと登りだすと、やがて、登りが急になり、尾根が右に弧を描くようになると、大きなブナの木も現れ、P803の西側の地点に着く。ここから右手に、P803に続く尾根が伸びている。
 ここから左に下っていくが、この辺りから、右手の滋賀県側に桧の植林が現れる。下りは急で、壁のような下りである。この辺りは、見通しが利かないとわかり難いので、テープを見落とさないように慎重に歩いたほうが良い。下りきると、美しい林となり、右手には池がある。この辺りも、とても気持ちの良い所である。池を右手に見ながら、回り込むように進み、再び桧の植林との境界を下る。下りが急になると鞍部に着き、ここには、「水場2分」の標識がある。この先のコブに登ると、正面にこれから行く根来坂付近を通る林道が見える。イワカガミの咲く尾根をゆっくり下り、さらに次のコブも越えて、どんどん下っていく。この辺りから、右の植林が杉に変わり、やがて広場のような所に着く。ここもきれいな林の広がる、とても良いところである。この広場の右手のピークが、P659で、植林界に沿って、このピークを越えても良いし、広場を突っ切って、右手に回り込んでも良い。
 さらに植林との境を下り、鞍部に着くと、その先は、細い尾根の登りとなる。滋賀県側の植林もなくなり、やがて、左から来た尾根と合流する。ここは、反対から歩いて来た時に直進してしまい易いので、注意が必要である。右に気持ちの良い尾根を進むと、すぐに小ピークに着く。このピークには石標がある。ここから、左に下っていくと、右に、桧と杉の混在した植林が現れる。鞍部からゆっくりと登りだすと、すぐにこの植林も切れ、知らないうちに、P697を過ぎる。やがて急な登りとなり、しばらく登ると、尾根にぶつかる。
 ここからも、前方に林道が見える。道は、左に曲がり、登っていくが、これから登っていくピークが正面に見える。この辺りから、林の様子が変わり、潅木となる。以前はあったと思われる熊笹も枯れて歩きやすい。先ほどの曲がり角で、見えていたピークは、P850ではなく、平らな尾根をさらにゆっくり登っていくと、やがてP850に着く。
 P850からは、道は右に曲がるが、ここには、標識が設置されている。おにゅう峠から来た場合、直進してしまいそうである。右に下るとすぐに、おにゅう峠の小屋の上に着く。ここから右、左いずれかに下ると、おにゅう峠の林道に着く。なお、逆コースから入る場合、尾根の左側の尾根を巻くように付いている道に入らないようにする必要がある。小屋の裏の尾根に駆け上がると、標識が設置してある。
 ここから根来坂には、尾根が林道工事で切り立った壁となっているので、しばらく滋賀県側に林道を下ってから取り付くことになる。林道を5分ほど進むと、左手に標識があり、ここから山に入る。展望台と呼ばれるピークに登り、そこから下っていくと、根来坂峠に着く。

                                                   (2022.08.06再踏査、一部修正)

コースタイム

クチクボ峠→(15分)→P677→(25分)→P709→(25分)→P803西側→(40分)→P659→(30分)→P697の先→(25分)→P850→(5分)→おにゅう峠(林道)→(林道歩き5分)→根来坂入口→(15分)→根来坂峠
(注)逆コースもトータル的には、同じ時間で歩ける。

地  図