若狭の山と峠 11 宝尾峠

 宝尾峠は、おおい町川上から、高浜町の日置(ひき)に続く峠である。おおい町側の中腹には、宝尾集落跡があるが、ここには6世紀ごろ、七堂伽藍を備えた寺があったといわれている。比較的近年まで人が住んでおり、神社の跡地などが見られる。この宝尾峠は、川上地区の人が、青葉山中腹にある松尾寺にお参りする際に利用していたと言われている。

 なお、川上集落には、高浜町子生(こび)に続く子生坂があり、そこから牧山と呼ばれる山に行けるので、参考にそのコースも紹介しする。


コース紹介

①おおい町から宝尾峠を経由高浜町へ     ■対象:上級コース(宝尾峠までは、中級コース)
 国道27号線を、おおい町本郷で別れ、綾部に続く県道、通称佐分利街道を進む。約20分で、川上地区に入る。集落外れで右折し、左近前橋前橋を渡る。しばらくで、川は二股に分かれるが、左の岸谷川に入り、林道を進む。すぐに、林道は、二手に分かれるが、右の道を進む。この先は、林道も細くなり、駐車もしずらくなるので、早めに空き地を見つけて駐車した方が良いだろう。

 林道を進むと、しばらくで右手に壊れた作業小屋がある。ここまで、川上の集落から歩いて30分弱である。さらに林道を進むと、小屋から5分もしないうちに、標識と、右手に入っていく道がある。ここが、以前使っていた登山道の入口であるが、作業道が出来ているので、ここをやり過ごし、まっすぐ進む。20mほど先で、右手の小川を渡り、作業道を進んでいく。作業道の分岐がいくつかあるが、標識、テープに従って、進む。しばらく行くと、右手に、宝尾への登り口が出てくる。ここを右の登山道に入り、登っていくと、再び、作業道に出会う。登山道の一部を作業道が重なって付けられたようだ。

 さらに進むと、やがて作業道と分れ、道は尾根の左側へと入っていく。その先で、左側が宝尾集落跡、右側が宝尾峠へ行く分岐に着く。

ここまで、登山口から約50分である。なお、左へ入ると、突然竹林が現れ、右手には石垣があり、このあたりが、宝尾集落跡の入口である。

 峠への道は、右手にあるので、分岐では右手の道を進む。そこからさらに一段登ると、お地蔵さんがあり、神社の参道の入口のような小さな石の標石がある。さらにその上には、崩れてしまった五輪塔がある。峠への道は、お地蔵さんの所から右手にトラバースするようについているが、この上にある権現と呼ばれる神社跡地へ寄ってこよう。五輪塔の横をまっすぐ登っていくと、しばらくで神社の跡地に着く。石垣や、階段そして本殿、拝殿跡と見られる場所があり、崩れた木材には、細工も残っている。

 地蔵さんのところへ戻って、宝尾峠をめざすことにする。道は、しばらくはしっかりしているが、だんだんとわかりにくくなる。それでも、幾分手入れされているのと、テープなどもあり、慎重に道を探せば、問題なく進める。途中、畑の跡のような所を通過すると、すぐに峠となる。峠手前辺りの斜面をトラバースする辺りで、道が痩せている所があるので、注意が必要である。峠までは、集落跡から、約30分である。峠には、簡単な表示があり、小さな石が置かれており、峠の雰囲気は十分である。                            (最終踏査2021.03.21)

 

(この先、最近歩いていないため、注意して下さい。沢に下りる辺りから、道が消失しているとの情報もあり、この情報通り歩けない可能性があります。)

 峠からもしっかりとした道が高浜側に下っている。道は、左の尾根に向かってトラバースするようについており、慎重に道を探して歩けば10分ほどで尾根に出る。この先道は、尾根の右側についており、倒木が邪魔をしている所もあるが、概ね広い道が続いている。この先、道は右の谷に下るが、この降り口あたりが、杉林の中でわかりにくい。尾根に沿って下ること、20分ほどの所から谷に下ることになるので、気をつけて道を探してほしい。この道が見つかればさほど困難なく、沢に下ることができる。ただし、途中下草が生えている所もあるので、要注意である。尾根から分かれて、沢まで、約20分である。

 沢に下りた後は、沢沿いに下っていく。最初、左岸沿いに下るが、途中何回か沢を渡りながら下っていく。沢沿いの道は、下草が生え、歩きにくいが、沢自体が小さいのでさほどの苦労もなく降りることができる。沢に下りて、約10分で林道に出る。林道終点近くには、2台ほど駐車できるスペースがあるので、逆コースから入る場合は、ここまで車で来ることもできる。林道を下ること、25分で、高浜町日置の交差点から入った所にある、西街道に出る。

■コースタイム
 川上集落→(30分)→登り口→(50分)→宝尾集落跡→(30分)→宝尾峠→(30分)→尾根から沢に下る地点→(20分)→沢に降りる→(10分)→林道→(25分)→西街道

 

②川上から子生坂経由で牧山へ     ■対象:中級コース

 川上から宝尾方面の道を進み、最初の分岐を右に入る。その後は、右へ進み、資材置き場の所を左に入る。その先の獣害フェンス手前に、少し駐車出来るスペースがあるので、そこに車を置かせてもらう。

 林道を、15分ほど進むと、子生坂の入口がある。最初は、沢沿いに進む。崩れた箇所や倒木等もあるが、問題なく進める。しばらくで、道は尾根に登っていく。尾根に登った後も、崩れた箇所があるが、迂回出来るので、問題なく進める。やがて、右手に立派なお地蔵さんがあり、その先が峠である。駐車場所から、峠までは、1時間ほどである。

 峠から尾根を牧山に向かって進む。綺麗なスッキリとした尾根であるが、P335の手前と、宝尾峠への分岐の手前が急登である。峠から約40分で、宝尾峠への分岐に着く。分岐を右に進み、なだらかな尾根を進む。途中、尾根が広く分かり難いところもあるが、慎重に進めば、分岐から約45分で、牧山に着く。山頂は、展望はないが、自然林に囲まれ、広々としていて気持ちの良い場所である。      (最終踏査2021.03.21)

■コースタイム

 

 駐車地点→(15分)→登り口→(45分)→子生峠→(40分)→宝尾峠との分岐→(45分)→牧山 

地図