若狭の山と峠 08-1 権蔵坂

 権蔵坂は、福井県側から京都府の芦生に抜ける峠道である。福井県側の染ヶ谷から芦生へは、五波坂(峠)があるが、現在、車道となっており、昔の道は消失している。 

 権蔵坂は、福井-京都県境上にはっきりとした地形が残っている。福井県側の道は、杉林の中等で一部わかり難くなっている所もあるが、はっきりとした古道の残る所が多く、峠道散策には良い場所である。ただし、福井県側からの往復だけでは、もったいないので、県境稜線縦走等と組み合わせて欲しいが、県境稜線にはユズリハが生え混んでいることもあるので、時間の余裕をもって、注意して入ってほしい。 


コース紹介

①八ヶ峰家族旅行村の先から権蔵坂へ          ■対象:上級コース

 小浜より車で国道162号線を名田庄方面に向かい、小倉トンネル手前の「名田庄村あきない館」の所を左折する。堂本集落を通り、染ヶ谷川に沿ってさらに車を進めると、小浜から約40分で、「八ヶ峰家族旅行村」に着く。ここからさらに車で2キロ程行くと、最初の林道が左に分岐する地点に着く。ここには、橋が架かっており、その手前か、その先に駐車可能である。  

 左手の林道を30m程進むと、右手斜面に踏み跡らしきものがあるので、そこから取り付く。雑木林の中の急斜面を、道らしき所を選んで、尾根を目指す。10分程で尾根に出るが、そこには明瞭な道が現れる。道はジグザグに登っており、掘れているところもあって、古道の雰囲気がある。ただ、わかり難い場所もあり、テープもあまり付けられていないので、しっかりとルートファインディングをして欲しい。道は、概ね、尾根の右側を登っており、登り口から30~40分で林道に出る。なお、林道手前で、左に進む道があるが、そこには入らないようにして欲しい。  

 林道の法面を登ると、また、古道が現れる。その道を進むと、すぐに右にトラバースしていく道がある。ちょっとわかり難いので、注意して探してほしい。右にトラバースして行くと、小さな谷を渡るが、その先で工事中の林道に出る。林道合流点は伐採された杉の倒木で塞がれているので、歩きやすい場所を探し林道に出る。林道を200m歩くと終点になる。左の斜面を15m程登って行くと道が現れる。権蔵坂はすぐその先にある。最初の林道横断点から、20~30分で、権蔵坂に着く。権蔵坂には、標識が取り付けられており、場所は明瞭である。ここから、京都側には、きれいな谷筋が広がっている。  

 権蔵坂からは、元来た道を引き返すことになる。なお、権蔵坂から五波峠方面もしくは、杉尾坂方面に進むことが出来るが、十分な下調べと下山後の足の準備をして進んで欲しい。また、京都側(芦生)に進むことも出来るようであるが、現在、京大演習林内は通行禁止となっている。(最終踏査:2020.9.28)   

■コースタイム
 登山口(駐車)→40分(30分)→林道横断→30分(20分)→権蔵坂
  (  )内は、逆コースのコースタイム

地図