若狭の山と峠 04 尼来峠

 若狭越の峠道を本書ではいくつか取り上げているが、この尼来峠も名田庄村と綾部市を結ぶ峠道であった。野麦峠を越えて飛騨から信州へ働きに行った女工さん達の話は有名であるが、この道もまた、昔、名田庄村の娘達が綾部の製糸工場へ向かった道なのである。

 以前は、若狭側から少なくとも尼来峠までは、昔の峠道が残っていたが、近年、伐採が行われ、上半分の道は、一旦消失した。その後、出来るだけ道を復旧し、何とか藪漕ぎせずに峠まで辿ることが出来るようになっている。

 なお、下部の部分と峠付近には、古道の雰囲気が残っており、また、峠には、人待ち顔でたたずむお地蔵さんが祭られている。

 このような状況から、登山コースとしての価値はないかもしれないが、峠巡りに興味のある人や、ここを起点に、県境稜線を歩こうという方のために、参考記録の扱いで峠までのルートを紹介する。(2017.12.11一部修正)


コース紹介

①納田終から尼来峠へ    ■対象:上級コース

 小浜から車で尼来峠へ向かうには、国道162号線を南下し、道の駅「名田庄」手前を右折して南川沿いに進む。中野集落、老左近集落を通りさらに進むと、野鹿谷林道の分岐に着く。左は頭巾山の登山口へ続く林道である。道路の舗装はここで切れ、地道を直進するとすぐに右手に道木谷林道を分ける。昔は、納田終の人が小浜に行く際にこの道木谷を通って大飯町の佐分利へ出て、本郷から鉄道で小浜へ行ったそうである。バスが通っていなかった頃の話である。

 さて、この分岐を見送りさらに車を進めると、片又谷の分岐に着く。車はこの先も尼来谷3番目の堰堤まで行くことができるが、林道が荒れていて、不安があればここから歩き出すことになる。3番目の堰堤は、標高約330m付近にあり、堰堤の少し先の道路脇に数台駐車できるスペースがある。駐車地点から、15分程(片又谷の分岐からは30分)行くと、林道は終点となる。

 林道の終点の手前で、谷は二俣となっており、その間の尾根に峠道がある。林道の終点で、沢はさらに二手に分かれているが、そこから、左手の尾根に上がる道が付けられており、その道を上がると、すぐに尾根に乗ることが出来る。この尾根を5分程登ると、道は尾根の右にトラバースしていく。尾根から外れる地点にも、標識があり、間違うことはない。道は、尼来谷の右岸を高巻くように付けられており、木が行く手を邪魔するところもあるが、気持ち良い峠道の雰囲気を残している。

 登山口から20分程で、尼来谷の源頭部に着くが、ちょっとした広場になっており、以前は気持ちの良い雰囲気の場所であった。しかしながら、近年の伐採で、これより上部は、一旦禿げ山となり、その後、藪山になってしまっている。以前は、道が、尼来谷を横切るように右の尾根に向かって付いていて、その先右手の尾根をジグザグに登っていく道があった。現在は、消失した道を何とか探し、完全ではないものの、藪漕ぎせずに歩ける道が確保されている。標識、テープを頼りに、尾根を上がってほしい。峠に近い高度となると、しっかりとした古道となり、左方向にその道を進むとすぐに尼来峠に着く。峠には、お地蔵さんが祭られており、峠から京都側に峠道が延びている。なお、以前の峠付近は木で覆われていたので、展望はなかったが、現在は伐採により、福井県側の展望は良い。(2017.12.11最終踏査)

■コースタイム(参考記録)
  最後の堰堤→(15分)→林道終点→(20分)→尼来谷源頭→(30分*)→尼来峠

地図