若狭の山と峠 20 千石山

  

 千石山は、若狭町の上中駅の南側に位置する山で、一般的な登山ルートとしては、井ノ口集落から、途中の「よもんだいら」を経て、登るコースがある。「よもんだいら」まで車で登ることが出来、その先の道もしっかりしているので、千石山に登るには最も良い。他にも、いくつか登山可能なルートがあり、藪こぎすることなく山頂に着くことが出来る。

 山頂を含め、途中には美しい林もあり、地図を片手に登ってみたい山である。ここでは、井ノ口集落からのルートの他、天徳寺からのルート、市場集落からのルート、神谷集落への下山ルート、そして、千石山~駒ヶ岳への縦走ルートを紹介する。


コース紹介

①井ノ口・熊野神社から千石山へ         ■対象:初級コース
 小浜からの場合、国道27号線をJR上中駅の信号で右折し、その先の突き当たりを右折して少し行くと、左手に熊野神社の立派な鳥居がある。鳥居をくぐりさらに車を進める。参道が終わと、その先に林道に獣除けのフェンスがあり、そこを通過して、井ノ口林道に入る。道が狭い所もあるので、気を付けながら約2km山道を登ると、「よもんだいら」という所に着く。ここは、井ノ口地区の方が整備された所で、駐車スペースの他、東屋、展望場所、さらには、仮設トイレまである。地域の子供たちの遠足場所にもなっている所のようである。
 ここに駐車し、さらに林道を進むと、すぐに「滝のぼり口」の標識があるので、ここから山道に入る。登山ルートには、黄色いテープが付けられており、途中からは、赤のテープもあり、心強い。山道に入ってすぐに、右手に滝へも道を分ける分岐に着く。右手に3分程登ると、滝の展望台に行けるので、時間が許せば、行ってみると良い。
 この分岐を、左に進み、植林の中を登っていくと、15分程で、稜線に出る。右方向に、はっきりとした稜線を進み、前方に急斜面が見えた頃に、道は左手に入っていく。しばらくで、道はUターンし、急坂を避けるため、その先も道はジグザクに付けられている。しばらくは植林が続くが、やがて、尾根の左手が自然林となり、空が明るくなる。
 稜線に出てから、30分程で、右の植林なくなり、急傾斜の尾根を直登するようになる。ただ、この急登も5分程で、なだらかな尾根となるが、この辺りには綺麗な林が広がっている。ここを過ぎると、昔の峠道のようなしっかりとした道が時折現れる。昔、生活のための道として使われていたのであろうか。
 その先、しばらく行くと、下にシダなども生え、樹相も変わってきて、さらに尾根を進むと、天徳寺(うり割りの滝)からの尾根に合流する。合流後、左手に20分程進むと、千石山山頂に着く。

■コースタイム
 よもんだいら→(1時間15分)→天徳寺からの登山道→(20分)→千石山
(注)逆コースは、1時間10分で下れる。

 

②天徳寺から千石山へ         ■対象:中級コース
 このコースは、林道から尾根の取付きが急であるが、そのあとは、比較的歩き易い尾根道となる。
 天徳寺の駐車場に車を止め、瓜割の滝方面に歩き出す。右手に瓜割の滝に入る道を見送り、そのまま林道を進む。途中、猪よけの電柵があるので、一旦外して通過する。(通過後、必ず復旧すること)しばらくで、林道が沢から離れ、右に曲がるが、ここは、林道から外れ、まっすぐの作業道を沢沿いに進む。やがて、再び林道に合流するので、今度は、林道を左に進む。そのまま林道を進むと、林道が右に大きく曲がる地点に来る。この曲がる地点の少し先が、尾根に取り付くのには良い。
 取り付きやすい地点を見つけて、斜面を登りだす。しばらくは急傾斜であるが、藪は薄いので、そう苦労もなく登れる。やがて、尾根らしい所に出て、ここからは踏み跡程度の道もあって、楽に登ることができる。しばらくは、急斜面が続くが、P542あたりまで来れば、後は快適な尾根道となる。
 途中から、右手が植林、左手が自然林のパターンとなり、全面自然林となると、しばらくで山頂に着く。
 山頂付近は綺麗な林が広がっており、山頂から駒ヶ岳に向かう長い尾根が続いている。

■コースタイム
 天徳寺駐車場→1時間10分(50分)→尾根への取り付き→1時間40分(1時間10分)→千石山
( )内は、逆コースのコースタイム

 

③市場集落から千石山へ             ■対象:初級コース 

このコースは、①のコースのサブコース的な位置づけで、林道歩きをせずに、①のコースに合流する。 上中駅前の信号から、敦賀方面に進み、次の信号の先の次の道を右に入る。上中病院の横を通り、突き当たりを左に曲がり、すぐに右の道に入る。そのまま山に向かって進むと、突き当たりが、市場霊園となっている。手前に空き地があり、車を止めさせてもらう。 山に向かって進むと、すぐに獣除けのフェンスがある。フェンスの内側に入り、フェンスに沿って右に入る。黄色のテープが道案内してくれる。急な道を登ると、やがてはっきりとした尾根となり、松交じりの尾根をゆっくりと登っていく。檜の植林となり、林の間から上中方面が見える。さらに登り続けると、P327を越え、よもんたいらからの道に合流する。この先は、①のコース案内を参照。
■コースタイム

 市場霊園→(1時間)→よもんたいらからの登山道合流→(1時間)→天徳寺からの登山道合流→(20分)→千石山

(注)逆コースは、1時間50分で下れる。


④千石山から神谷集落へ             ■対象:中級コース

 このコースは、神谷集落の上部(中腹)にある神社へ下って来るコースであるが、あまり魅力のある尾根ではないので、下山のバリエーションルートと考えた方がよさそうである。千石山から下って来ると、よもんたいら、天徳寺、そして、神谷への分岐に着く。左手に、「物見岩、神谷」と、黄色いテープに書かれている。テープに従って、左手方向に進む。右が植林、左が自然林の尾根を進み、しばらくで右に曲がり、登っていくと、20分程で、物見岩に着く。立派な岩である。岩を乗り越えると、急な下りである。左に行き易いので、右に進むと良い。鞍部の辺りに、黄色いテープがあるが、このテープは、ここが最後である。この先は、赤いテープなどがあるが、あまりテープを期待しない方が良い。地図と磁石で行く方向を確認して進んでほしい。雑木と植林の尾根道で、あまり楽しくない。時折、イワウチワ、イワカガミの群落に出会う。次の603mピークの手前は、下部で斜面崩落がある。右手が、植林となり、植林境界に沿って、右に折れる。植林と、雑木の、なだらかな尾根が続く。やがて、広く平坦な場所に出るので、右の境を歩くようにする。しばらくで、次の518mピークに着く。ここも平坦なところで、右に折れる。逆方向から来た場合、直進し易いので、注意が必要である。雑木林の中を下って行くと、綺麗な尾根の急な下りとなる。小さなコブで、左手に折れ、尾根の先端の様なところで、左手の斜面を戻るようにトラバースしながら下ると、神社の屋根が見える。特に道はないので、神社を目指して、強引に下って行く。神社は、大きく、石の鳥居も立派である。ここへは車道も上って来ていないので、神社の建設は大変だったろうと想像される。この先は、神社の参道で、30分ほど下ると、村中の神社があり、集落の中を通って、国道に出る。
■コースタイム

 千石山→(15分)→天徳寺からの道等の分岐→(20分)→物見岩→(30分)→P603→(40分)→P518→(50分)→神社 →(40分)→神谷集落            

(注)逆コースは、参道歩きも長く、あまりお勧め出来ない。


⑤千石山~駒ヶ岳への縦走コース         ■対象:中級コース
 前半は、桧の植林が左手にあり、少し鬱陶しいが、後半は、美しい自然林の広がる快適な尾根歩きが楽しめる。全体にアップダウンの少ないなだらかな尾根であり、尾根は比較的すっきりとしてわかり易いが、何箇所か尾根の分岐で注意する所がある。地図と磁石は必携で、慎重に進んでほしい。登山道としての道はないが、作業道のようなものがほとんどの区間であり、また、木が生えこんでいる所はないので、藪漕ぎの必要はない。
 千石山から南東方向に下っていく。最初は尾根が広いので、尾根を外さないように慎重に下る。10分ほどで、尾根巾が狭まり、快適な尾根歩きとなる。この辺りには、赤の細いプラスチック杭があり、コースの目印となる。尾根はなだらかで、迷うことなく歩ける。やがて、左手に桧の植林が現れ、少しうっとおしくなる。この辺りには、作業用の道も見られる。しばらく左手の桧の植林と右手の自然林の間を進むが、やがて、小ピークに着く。ここは、地図上で尾根が東に曲がる地点で、山頂からここまで約45分である。
 ここを左手に折れるように曲がり、下っていくと、広場のような気持ちよい地点に出る。ここでは、左手に展望も広がる。しばらくで、次のピーク(南北に伸びるピーク)に着く。この辺りから、植林は終わり、綺麗な林が広がる。さらに進むと、650mのピークに着く。
 ここでは、右手に折れるように、綺麗な尾根を下っていく。鞍部より、登り返すと、642mピークに着く。ここも、右手に曲がるが、逆コースから来た場合、注意すべき地点である。さらに進むと、647mピークに着くが、ここも、右へカーブしながら下っていく。ここも、逆コースの場合、要注意である。
 しばらくで、駒ヶ岳への登りが始まるが、尾根が広く少しわかり難い。ここは、高みを目指して、慎重に進む。やがて、再び明瞭な尾根となる。このあたりには、所々、大きな岩がある。山頂手前から再び、尾根巾が広くなり、すぐに山頂に着く。逆コースの場合、慎重に、進む尾根を捕まえる必要がある。

■コースタイム
 千石山→1時間10分→P650→20分→P642→10分→P647→40分→駒ヶ岳
(注)逆コースも、ほとんど同じ時間で歩くことが出来ると思われる。

 

地図